ひみつ
「車椅子って...もしかしてこないだ言ってた病気の話?」


「は、はい.....」


気まず過ぎる...


返事...


そう私は決めてる。


“教室で待ってるから”


私は...


私は彼が好きだから...


「あ、その、莉奈ちゃん、出来たら前の返事聞かせて欲しいな...」


「さ、佐伯先輩...ごめんなさい.....」


「そ、そうだよな.....」


先輩は、どこか遠くを見ていた。


「す、好きな人とかいんの?」


「いや.....その...」


「まあいいや、詳しくは聞かないでおくよ...あ、あと、部活の件だけど、どうする?」


「その.....もうドクターストップがかかってしまって.....」


「や、やめるんだね?」


「はい...」


「分かった、今までありがとうね」


急に刀で刺された気分だった...


でも私は...この道を選んだんだ。


...


私は正しいの?


これが正しい道なの...?





放心状態のまま教室に戻った。


「莉菜、先輩となんの話ししてたの?」


「放送部を辞めるって話かな」


「え、やめたの?」
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