ひみつ

｢...うん、大丈夫だよ？｣


｢え、あ、ちょっと場所変えない？｣


そう言って、菜月ちゃんは弁当を持って私を押して、中庭に出た。


｢ごめん、私もこんな話するの嫌いなんだけど、佳奈ちゃんと麗奈ちゃんの良くない噂を聞いてしまって...｣


｢...良くない噂.....？｣


｢莉奈ちゃん、別に答えたくなかったらいいんだけど、莉奈ちゃん、佐伯先輩に告白された？｣


.....へ？


な、なんで知ってるの...？


｢...うん.....｣


｢なんかそれ関連のことで佐伯先輩が佳奈ちゃんと麗奈ちゃんになんか色々言ったらしく、すごい怒ってるらしい.....｣


｢そ、そうなんだ.....｣


高校というか、学生生活で初めてできた友達が佳奈と麗奈だったから、とてもショックだった...


涙が止まらない...


｢莉奈ちゃん、なんか今更感あるけど、私たち友達にならない？｣


｢うっ.....うんっ.....！｣


菜月ちゃんは私に黙って抱きついてくれた。


｢実は私ね、佳奈と麗奈、中学も同じだったの。でも、私も莉奈ちゃんみたいに先輩に告られて振ってから、あの二人に無視られるようになったの。｣