ひみつ
発作で胸が痛かったって、点滴ばっかで痛かったって、こんなに泣いたことは無かった...


自分にとって、“初めての友達”というものの存在は、大きかったのだろう。


「あたしっ...あたしっ.....あたしね.....生まれて初めてっ.....」


いたっ...い.....


「ウッ.....」


発作...発作だ.....


「莉奈ちゃん?...莉奈ちゃん!莉奈ちゃんどうした!?」


だめっ...頑張って.....


「ちょっと.....ちょっと横に.....横に.....」


蒼くんはすぐに、近くのベンチに運んでくれた。


駅でよかった...


「え、駅員さん...呼んでくるね」


大丈夫だから という言葉を出す力もなかった。


自分の拳を握りしめて、痛みに耐える。


そろそろ無茶しすぎた心臓も悲鳴をあげてるのかな。


「ちょっと顔色悪いね、君このこの横にいてあげて、救急車呼んでくるね」


そんな声が聞こえたけど、いっこうに引いてくれない胸の痛みに限界を感じた。


「莉奈ちゃん、莉奈ちゃんしっかり!」


もう手を握る力も無くて、もう限界だった。


「大丈夫ですか?」


そう救急隊員の人に話しかけられて、意識は消えた。
< 65 / 79 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop