ひみつ
もう私は、きっと長くないんだ。


こんな頻繁に病院戻りで長生きできるわけがない。


「先生、最期ぐらい.....楽しみたい...」


「莉奈っ.....」


お母さんごめんなさい。


私は親不孝だ...





それから3日、体調がちょっとましになった頃に退院した。


車椅子も、もう病院に置いて帰った。


歩けるうちに歩かないと、いつか後悔するから...


そのまま家に帰ったけど、学校に行ける体力は無かった。


「ケホッケホッ.....お母さん、今日も休む...」


無理したらすぐに発作が出そう。


テスト期間直前なのに、体を起こすことも出来なかった。


病院じゃなくて、自分の部屋にいるだけで気分はマシだったけど、早くペンを握りたかった。





ブーッブーッ...ブーッブーッ.....


ケータイが久しぶりに鳴った。


画面を見ると.....蒼くんだった。


「莉奈ちゃん、体調大丈夫!?」


「あおいくん.....ごめんっ...いつもっ.....いつも迷惑かけて...」


息が続かない。


ねぇ頑張ってよ私の体...


「今、入院してる?」


「ううんっ.....家にいる...」
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