恋のライバルは冷徹王子!?
「あの…式の会場の場所、教えてもらえませんか?」

私があまりにも不安そうな顔をしているからだろうか。

その人はクスッと笑った。

「もちろん。心配しなくても置いてったりしないよ」

おいで、と私に手を伸ばす。

私を見下ろすその顔は優しくて、そしてどこか謎めいていて。

私は熱に浮かされたみたいにふわふわと、差し出された手をとって立ち上がった。
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