恋のライバルは冷徹王子!?
「ダメですよそんなの!戻りましょう!私も手伝います!」

わざわざ体育館からかなり遠い茂みの中を探し回っていたんだ。

きっと彼にとってそれくらい大事なものだ。

踵を返そうとする私の手を彼が掴んだ。

「いいんだ。困って座り込んでる君に会えたから。」

きっと巡り会わせてくれたんだね、と私の目を見つめる。

さっきと同じ、澄んだ瞳が私の心を見透かしているようで、狼狽えてしまう。
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