恋のライバルは冷徹王子!?
「その髪で登校したら絶対怒られちゃうよ〜」

そんなわたしの言葉に仁奈は苦いものでも口に入れられたかのようにうえっと舌を出した。

仙鷲堂学院の校門には生活指導の女性教諭が立っていて、毎朝じっと生徒を監視しているのだ。

校則違反や遅刻だけならまだいいのだが、髪の乱れや制服のほつれなんかにも目ざとく口を出してくるかなりの曲者。

その容赦のなさから生徒たちから"門番"というあだ名をつけられていた。

「ごめんまどか!櫛貸して!」

手を合わせて拝む友人にしょうがないな〜櫛を渡す。
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