恋なんて、しないはずだった
「つーか、ミヤはなんでもう会えないわけ?」


一応碧の友達に紹介するわけだし、聞いとかないとと思って寮を出る前にこえをかける。


「子供が出来て、それが噂になって.......俺は動揺して、守るべきアイツを守れなかったから」

「わー、なかなかエグいな」

「もうそんな思い詰めんなって。な?」

「俺は、今度こそアイツを守るために就職したようなもんなんだぞ。でも、会えねーんじゃ意味ねー」


こんな状態で紹介なんてしてもいいのだろうかと思うけど、でもミヤには前を向いて欲しいと俺も思う。


「よーし。そこのコンビニ前だから行こうか」


ミヤの肩をポンっと叩いて、寮のドアを開ける。


「大我の彼女見れんだなー。楽しみ」

「目的はミヤへの紹介だろー」

「あれ、ミヤ?」


コンビニの前へと俺たちの前を歩いていたミヤの足がとまる。


「ん?ミ.......は!?」


ミヤの視線の先をみたサクが目を丸くしてる。


「なに、どーしたわ.......「碧!!」


2人の様子を交互に見ているとミヤが走り出したと同時に俺のよく知る名前を叫んだ。


「へ?ちょ.......」

「なぁ、どっち。お前の彼女」


歩きだそうとした俺の腕を掴んでサクが聞く。


「.......んなこと、どーでもいい」


サクが腕を掴んで俺を止めている間に、ミヤは碧のことを抱きしめている。

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