恋なんて、しないはずだった
「なんで、隠したの?」

「思い出したく、なくて.......」

「子供ができたこと?」

「.......っ、違う!できてない!」

「.......へ?」

「ただ、体調が悪くて暫く休んだの。そうしたらあたしと大和のことをよく思ってなかったこたちが噂流して.......大和は大和で噂に動揺して.......噂が止まらなくて学校に行けなくなって、あたしは逃げたの。全部捨てたの。だから、なにも無かったことにしたかったの」

「.......碧」

「だからって嘘をついてごめんなさい。あたしにたくさんの幸せをくれる大我に嘘なんかつくべきじゃなかった」


ポロポロと瞳から流れてくる涙。


「ごめんな。責めるつもりはなかったんだ」


流れてくる碧の涙を拭う。


「.......ごめん、大我」

「で、ミヤに再会したわけだけど、碧の気持ちはどこにあんの?」


答えは怖いけど、誤魔化してなんて一緒にいられないから。
元々はミヤから逃げてきた碧の隙におれが入ったようなもんだ。
ミヤの元に戻るなんて普通なのかもしれない。


「いまのあたしは、大我のことが大好きだよ。大我がいないなんて考えられないよ」
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