恋なんて、しないはずだった
「.......碧。あんなに好きだったミヤじゃなくていいの?」

「大我がいいんだよ。もう、大和のところに行ってほしいの?」

「いやだ。碧が俺以外の男のところに行くなんて絶対に嫌だ」

「うん。あたしも。大我のそばにずっといたい」


碧が俺にぎゅっと抱きついてくる。


「俺を選んでくれてありがとう。絶対碧のこと幸せにするし、俺を選んで良かったって思わせるから」


俺もそんな碧のことを力強く抱きしめる。


「今でも十分幸せだよ」

「もっとだよ。こんなんじゃ足りない」


そっと碧のことをベッドへと沈める。


「で、いい?俺は碧にもっと近づいて」

「.......うん」

「ずっとずっとこうしたかった。碧に俺を刻みたくて、碧に俺を感じて欲しくて堪らなかった」

「.......ん、たい、が」

「もう、止まれないからな」


そっと首元に唇を埋めた俺に反応する碧が可愛すぎて、我慢なんてもうできなかった。
やっぱり、このまま俺の中に閉じ込めておきたいくらいに碧のことが大好きで。

こんな風に誰か一人に思ったことはなくて。
前に幼馴染みの瑠樺と流れでシたときなんかとは全然違って。

好きな子とするってすごいんだって実感した。


「碧、大好き。俺とずっと一緒にいてよ」


隣で眠る碧に額にキスを落とした。

ミヤのところに戻りたいなんて絶対に思わせないくらい幸せにするってこの時の俺は誓ったはずだった。

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