恋なんて、しないはずだった

✎*俺のとなりにいろよ

「さーて、今日から文化祭の準備だからなー」



5時間目のホームルームの時間。



「先生、担当決めのときまだ辛島さんいなかったんで、俺と同じとこでいいっすか?」


「あーそうだな。そうしよう」



杉浦くんの言葉に先生はあたしをみてから、返事をする。

さすがに何もやらないわけにはいかないし、誰かのとこに自分から行くこともできないので、杉浦くんの提案はたすかる。



「じゃあ、翠は俺たちと看板作りね」



ニコッとあたしの席の前にやってくる。



「.......わかった」


「じゃあ、こっち」



あたしを完全な作りのほかの人がいる場所へと連れていく。



「大我ー、絵はこんな感じ?」



看板作りのスペースにつくと、そこにいた女の子が走って駆け寄ってくる。



「おー、いいじゃん。やっぱアズは絵がうまいなぁ」



満足げに微笑む杉浦くん。



「そうだ、アズと慎吾。碧も看板作りに入ったから」



あたしの背中を押して、2人の前へと出させる。



「あ、の.......よろしくお願いします」



すごく小さな声になってしまった。

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