恋なんて、しないはずだった
「べつに自由じゃないことなんてないよ?」

「うん。わかってる。でも、だからってミヤの番号消さなくていい」

「.......大我」

「もしもだけど.......やっぱりミヤがいいってなったとき困るだろ。番号ないと」

「バカ!そんなことあるわけないじゃん!」


あたしが好きなのは大我だから。
大和じゃなくて、大我だから。


「うん。それもわかってる。でも、何があるかわかんないだろ」

「もう、大我らしくないよ?大我はいつだって自信満々でしょ?」

「なんかナルシストみたいに言わないでくれよ」


お互い顔を見合わせてプッと吹き出す。
これ、この関係の居心地がいい。

大和といたときは、なんでも分かり合える関係だったはずなのに、あたしは常に背伸びをしていた。
でも、大我とは自然体でいられるんだ。


「なぁ、どれだけ遅くなってもいいから毎日電話はしようぜ。で、会える日は会おう」

「うん。大我と1日に一度は触れ合いたいな」

「なんかその言い方やらしーな」

「.......なっ!関わりたいってことだよ!」

「今日さ、碧の部屋に行ってもいいのかな。俺」

「あ.......うん」


あの日、大我と繋がってからこうしてデートをするのははじめてだった。
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