恋なんて、しないはずだった
「ごめん、俺.......余裕ねーな」

「.......大我」

「自分がこんなカッコ悪くなるなんて思ってもいなかった」

「カッコ悪いだなんて.......」

「でもさ、俺がこんな風になるのは碧のことだけなんだ。すげぇ好き。大好き」

「うん、あたしも大我が大好き」


あたしが好きなのは大我だっていう表現が足りないのかな。
大我のこと不安にさせてしまっている要因を考えても思い当たるのはやっぱり大和のこと。
大我と付き合う前までのあたしは大和のことが大好きだったし、指輪も外せないくらいだったから。

そりゃ、あんなに好きだった相手だし久しぶりにみた大和はもちろん更にカッコよくなってたけど。
大和のことをみて、胸が高鳴らないのは初めてだった。
それは、あたしが大我のことを好きだからなんだけど、自分で感じてるだけじゃ相手にはつたわらないよな。


「あのね、大我.......大和と再会したとき全然ドキドキしなかったの」

「.......え?」

「なんでかわかる?大我のこと好きだからだよ」

「.......みど.......あーうっせー」


あたしのことを抱きしめようとした横で大我のスマホのバイブがまた鳴る。
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