恋なんて、しないはずだった
「.......はぁ、うるさいから今日のとこは帰るわ」

「あぁ、うん.......大丈夫?」

「なにが?」

「.......それ」


ズボンからでもわかる膨らみを指さす。


「.......うるせーよ。言うようになったな、お前」


くしゃって髪の毛を触る。


「だって、ズボンの上からでもわかるから」

「なんとかするっての」


フッと笑って、上着を着て立ち上がる。


「次ゆっくり会えるのいつだろうね」

「んー.......まぁ、ゆっくりじゃなくても会おうな」

「うん!」


大我に1日1回でも会えれば、いろいろと頑張れる気がする。
大我はあたしにとって、栄養剤みたいなものだと思う。
だから、大我はすごいんだよって自信を持って欲しい。


「.......あれ?大我の財布じゃん」


大我が帰ったあと、机の上をみると大我の財布が乗っていた。


「もう、これないと困るんじゃないのー?」


届けてあげようとあたしは、メッセージアプリを立ち上げて、大我にメッセージを送る。

すぐには帰ってこないかもしれないけど、すぐ目の前に大我の寮があるし、何時になっても大丈夫だから。

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