恋なんて、しないはずだった
「俺が一番碧のことはわかってると思ってるから」

「ミヤ、そのくらいにしておけよ」


ミヤの隣で静かにご飯を食べていたサクがミヤの腕をつかむ。


「碧のこと傷つけなければそれでいいんだよ」

「大我、こいつ碧のことになると周り見えなくなるから.......悪いな」

「サクって、ミヤって呼んでなかったんだよな?」

「え?あーうん」


一瞬、怪訝な顔をしたあとに頷く。


「なんで?ミヤは苗字が嫌いだったからそんな風に呼ばせてなかったのにって」

「へー、碧と俺の話なんかしたんだ?」

「別にその時たまたまだよ」


どこか嬉しそうな顔をするミヤにしまったと思う。


「その方が碧にきっと会えるって言うから」

「誰が?」

「おい、それは言わない約束「なぁ、誰がそれ言ったわけ」


俺の予感はきっと当たる。
ミヤがサクのことを止めるのを俺が止める。


「それ言ったの、瑠樺だろ」

「.......まぁな」

「で、それいわれたのいつ?」

「いや、さいき.......ん「ごまかせねーって。大和」


初めてサクがミヤのことを大和と呼んだ。


「俺らは何も知らなかったけど、たぶん大我と碧が付き合いだしたこと、アイツは知ってたと思う。そのうえで、大和には上京するように.......俺にはミヤって呼べって言ったんだ」

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