恋なんて、しないはずだった
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文化祭当日。
あたしは少ししか手伝えなかったけど、あたしたちのつくった看板も教室の前に飾られている。



「自分たちが手がけたものが飾られるっていいよね!」



初めて話して以来、あたしの隣にいつもやってくる水戸さん。
あれかというもの、彼女はあたしを対等に扱ってくれる。
ほかの人に不思議に思われながらも。



「そうだ、今日はこのTシャツきて、ポニーテールするんだからね!碧ちゃんの髪の毛はあたしがやってあげる!」



ニコニコしながら、ピンクのTシャツをあたしの前に広げる。



「これは.......?」


「クラスTシャツ!ほら、ここ見てよ!」



水戸さんが指さした箇所には「TAIGA MIDORI AZUSA SHINGO」と印字がされていた。



「あたしの、名前.......?」


「うん!碧ちゃんの名前追加するとき、大我ったら、ここ!ここに碧の名前!ってすごかったんだから」


「杉浦くんが?」


「うん。ほーんと、大我に気に入られたもんだよね。だから、あたしも碧ちゃんの反対側の隣!って主張してみた」



クスクスと水戸さんが笑う。

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