恋なんて、しないはずだった
「大我、そんなこと言っちゃっていいのかなー?」


「なんだよ.......」


「ほら、慎吾見てみなよ」



アズが指さす方には、慎吾がなにか碧に耳打ちしている姿。



「.......っ、碧!」



俺はそんな2人をみて、気がついたらグイッと碧の腕を引っ張ってちた。



「え、どーしたの?大我」



キョトンとした顔の碧。



「慎吾、アズ.......ごめん。碧と2人で回らせて欲しい」


「え?大我?」


「仕方ないなー、どーぞ」


「ほらほら、行けよ」



びっくりしている碧をよそに俺が頼んだふたりは、それがわかっていたかのような反応。

まんまと乗せられてる気がするけど、どうしてもふたりで回りたいと思ってしまった。

このわけわかんねー感情をもう認めるしかなさそうだ。



「俺、碧のことが好きだ」



認めてしまっては、もう溢れることしかないこの思いを口に出さずにはいられなかった。



「.......え?」



幸か不幸か、花火がちょうど上がったところらしく、碧の耳に肝心な言葉は届いていなかったようだった。

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