恋なんて、しないはずだった
「行ったみたいだな。俺が行ってすぐ」


「そうみたい、こわか、った.......」



大我の顔をみて、安心したのか体から力が抜ける。



「おい、大丈夫かよ」



ゆらりと、倒れ込んでしまいそうなあたしの体を大我がガシッと掴んでくれる。



「だから、俺が一緒に帰るって言ってんだろ。なんで、今日は帰らなかったんだよ」


「悪いと思って.......」


「はぁ?誰に?」



あたしの言葉に眉をひそめる大我。



「彼女.......に」


「はい?」



今度は目を大きく見開く。



「今日、告白オッケーしてたでしょ?」


「.......ん?今日は誰にも.......?」



本当に身に覚えがないらしく、首を傾げる。



「だって、いいよって言ってたじゃん。女の子の方も嬉しそうだった!」


「.......は?あ、おいそれってもしかして中庭か?」


「うん」


「おいおい、ただのサッカー部の助っ人だよ。それ」


「え!?サッカー部!?」



思いもよらぬ展開に声が大きくなる。

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