恋なんて、しないはずだった
……………………………………………



「おはよー」

「おはよ」

「昨日のあれさー」



朝の挨拶、昨日の出来事やテレビの話。
そんな会話がいろんなところで繰り広げられる教室。

そんな賑やかな雰囲気のなか、お気に入りの1番後ろの1番窓側の席。
誰にも話しかけられないように、1日をはじめるのがあたしの日課。
ここに来てからの変わらない毎日。



「おはよ、碧」



そんなあたしの静寂を土足で荒らしてくるやつがいた。


突然、あたしに話しかけたことにクラスはざわめき出す。



「おい、大我お前どーしたんだよ」



杉浦くんと仲のいい松波(まつなみ)くんがガシッと杉浦くんの肩をつかむ。



「慎吾(しんご)おはよ。これから毎日つきまとうことにしたんだよ。碧に」


「へ.......?ていうか、何が起きたわけ?名前で呼んでるし」



松波くんが困惑してる。



「別に呼びたいから呼んだだけだよ」


「ふーん、辛島さんこいつに気に入られたら、大変だよー。ま、頑張ってー」



ヒラヒラと手をふって、自分の席へと戻っていく。

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