恋なんて、しないはずだった
「俺、結構モテんのになー」


「大和のほうがモテてたよ」


「お前、遠慮なくなったな」



あたしの言葉にプッと吹き出す。



「なんか、大我の前だとさ.......正直になっちゃうんだよね」


「いいんだか悪いんだか.......」


「ごめんね、大我の気持ち知ってるくせにあたしって性格悪いね」


「今更言われてもな。まぁ、俺に心を開いてる証拠だからよしとするわ」



ポンポンっとあたしの頭を撫でる。



「そうだ、これやるよ」



机の上から何かの小さな袋をとってあたしの手に乗せる。



「え?ありがとう」


「誕生日、おめでとう」


「開けてもいい?」


「うん」



大我の言葉にシールを剥がして袋を開けてみる。



「わぁ、可愛い.......」



袋の中から見えたのは星の形をした、ヘアアクセサリー。



「いつも、学校以外では前髪留めてんじゃん。似合うかなって思って」


「へへ、嬉しい。どう?似合う?」



いつめしているピンを外して、大我からもらった星のピンで前髪を留める。

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