恋なんて、しないはずだった
「可愛い、俺の想像超えてる」


「もう、大我。褒めすぎだよ」


「お前は、いつも可愛いよ。可愛くない日なんてないから」



あたしの頬へと手を伸ばす。



「.......大我」


「これが彼氏ならここでキスでもしてるとこだな」


「もう、バカ」


「キス.......してーなー」



そんな、大我の声はいつもより掠れてて。
少しだけいつもより甘くなった雰囲気が流れていた。



「そ、れは.......片方が思うだけでは実行なんてできないよ」


「わかってるよ。でも、俺はいつだってお前とキスだってそれ以上だってしたいと思ってるから」


「.......やだ」



──それ以上。
その言葉で、あたしは自分のあの姿を思い出して、震えそうになる。

恥ずかしいのに、もっと欲しくて。
もっと欲しいのに、恥ずかしくて、もどかしい。

あたしをあんな気分にさせるのは、この世にきっとただ1人だけ。



「あのさー、そんな真剣に拒否られたらなかなか傷つくわ。わかってるけどさ、彼氏でもねーのにこんな事言うの引かれるよな」



はぁっとため息をつく大我の頭にそっと手をおく。

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