恋なんて、しないはずだった
「あ、どうもー、はじめましてー」


あたしたちの前の席にも2人の女の子がやってきて、話しかけてきてくれる。


「はじめまして」

「あたし、坂元杏(さかもとあん)。で、こっちが堂島瑠樺(どうじまるか)。あたしたち同じ高校だったんだー」

「辛島碧です」

「佐賀六花です」


自己紹介をし終えて、杏ちゃんが紹介してくれた瑠樺ちゃんがあたしのことをジーッと見ていることに気がつく。


「.......?」

「瑠樺、なに碧ちゃんのこと凝視してるの?」

「いや.......どこかで見た事ある気がして」

「.......え?」


この子のことを何も知らないけど、どこかで出会っていたのだろうかと不安になってしまう。
実家の方の子だったらどうしようと不安になってしまう。


「あ、ほら。さっき!男の子と歩いてた子!」

「あぁ.......た.......あの人彼氏?」

「え?あ、うん」


一瞬「た」って言ったようなきがした。
でも、この子が大我のことを知っているわけはないし、気のせいだと思って気にしないことにした。


「ねぇ、碧ちゃんって岡野杏莉(おかのあんり)に似てるよね」

「そ、そうかな.......?」


それはもう、地元の子たちしか出してこない話題だと思っていた。
< 95 / 157 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop