恋愛暴君のきみは、ときどき甘い
2年前のあの日。
私と凌は確かに連絡先を交換して、あれからずっとそれは変わっていない。
もしかしたら、単に消去するのが面倒だっただけかもしれない。
私と連絡先を交換したことすら覚えていなかったのかも。
凌が私の連絡先を残していることに、きっと大きな理由なんてない。
それなのに、それだけのことがどうしようもなく嬉しい。
嬉しくて仕方がない。
『……嘘つき』
私のこと覚えてないなんて、嘘だったんだ。
失恋の痛みは2年前に身を持って知っていたはずなのに、今回の失恋のダメージは思っていたよりも少ない。
それは、きっと……。
やっぱり私まだ、凌のことが好きなんだ…………。