同期は蓋を開けたら溺愛でした
「違う。大友はそんな奴じゃない」
自分でも大きな声が出て驚いたけれど、増永さんはもっと驚いたようで、肩から手を離した。
「庇いたいのは分かるけど……」
「庇いたいとかじゃないんです。ただ、もし本当に大友がリークするような奴だったら……」
私は俯いていた顔を上げ、真っ直ぐに増永さんを見据えて言う。
「あんな中途半端な状態で情報を流すなんてあり得ない!」
「……は?」
目が点になっている増永さんに何故だか私は力説する。
「ペン型にして、刃も替えられて、押すと刃が出るからこそ『機能性重視なのは俺の十八番なのにな』って大友に言われたんです。それをあんなずんぐりむっくりで可愛いだけのカッターなんて!」
そこまで言うと会議室の扉が開いて、クククッと笑いを堪え切れないような大友が入ってきた。
「増永さん。今回はあなたの負けですね」
「大友くん……」
呆れた声を出す増永さんと苦笑する大友を交互に見比べる。