同期は蓋を開けたら溺愛でした
いたずらされて戸惑っていたはずなのに、急に離れた温もりに寂しくなって、背を向ける大友に衝動的に抱きついた。
「……ッ、おい。恵麻!」
触れる大友の温もりと、上擦った声を聞き、胸がしめつけられる。
「お願い。このまま。一緒に、寝てくれるんでしょ?」
「……悪魔め」
言葉に反して、振り払わず微動だにしない大友へ言葉を漏らす。
「あの、ごめんね」
「今の状況が?」
不平を口にする大友へ訂正する。
「そうじゃなくて! 私、一瞬でも大友を疑ってたのに」
「……ま、増永さんにああ言われちゃな」
そうじゃない。転職や、他にも色々……。
うまく言葉に言い表せず、もどかしくて大友の背中にしがみつく。
「はぁ。俺、報われなかったら泣きたいわ」
「何に?」
「いや、なんでもない」
大友の温もりを感じ、再び深い眠りへと落ちて行った。