同期は蓋を開けたら溺愛でした
10.変わっていく関係
窓の外が白んできて、部屋の中にもまだ早い朝を告げる。
時計を見ると5時少し過ぎを指していた。
12時間以上寝た体に眠り過ぎた怠さを感じながら、視線を移すとベッドとローテーブルの間に大友を見つける。
少しばかりの寂しさを感じながら、起こさないように注意して洗面所を借りる。
よく泊まるくせに、何も荷物を置かない私のために用意されている使い捨て歯ブラシ。
それをありがたく使わせてもらい、それから顔を洗う。
始発に合わせて帰って、アパートの片付けしなきゃ。
そんなことを思って部屋に戻るとローテーブルの上のメモ書きに気づいた。
【止めたって帰るだろうから、冷蔵庫にサンドイッチ】
どれだけ私を甘やかすのよ。
胸がいっぱいになって顔を両手で覆う。
泣いてしまわないように呼吸を整えてから、冷蔵庫のサンドイッチを手にして大友のアパートを出た。
持って帰ることを見越しているのか、ご丁寧にラップに包まれたサンドイッチは野菜たっぷりで大友の愛情を痛いほど感じた。