同期は蓋を開けたら溺愛でした

「ははっ。役得だな」

「もう。そういうのいいから!」

 文句を言っても大友は甘い雰囲気で囁くように言う。

「冗談にするなよ。俺、好きって言ってるよな」

 至近距離で覗き込むように言われ、精一杯の距離を取る。
 だって色んな意味で心臓が壊れそう。

「俺をロマンチストだとかって馬鹿にするけど、俺としてはお前がこういうの好きかと思って選んだつもりだけど?」

「私?」

「プロポーズはひざまずいて指輪を差し出されたいって言ってただろ」

 プロポーズって……。

 言ったかもしれない。
 何かの流れで。

 でもその時だって、いつもみたいに笑われてからかわれたはず。

 私たちの乗る観覧車はいつの間にか頂上に近づいている。

 景色を見る余裕なんてない。
 ただ、大友と2人。
 どこにも逃げられないカゴに捕らわれたみたいだ。

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