同期は蓋を開けたら溺愛でした

「分かった。じゃ、嫌なら突き飛ばして」

 ゆっくりと顔が近づいてきて、思わず大友の両腕を掴む。
 添えられている手が優しく頬を撫で、甘く囁かれた。

「好きだよ。恵麻」

 大友は体を屈め、覗き込むように近づいて唇を僅かに触れ合わせた。

 一瞬触れただけなのに心臓が止まりそうになって、離された唇が震える。

「恵麻」

 掠れて消えかけた声で名前を呼ぶ唇は、もう一度私の唇に触れ、今度はゆっくりと重なった。

 ただ重なり合っただけなのに、胸がキューッと痛くなる。

 再び離されると潤んだ瞳が一瞬見えて、大友は私の肩に力なく頭を預けた。

「好き過ぎて、やばい」

 大友の重みを感じながら、私は彼へしがみつくように服を掴んで言葉をこぼす。

「雄……好き」

 息を飲んだ大友がゆっくりと顔を上げ、私を見つめる。

「やっと言った」とぼやくように言うと、再び私の頬を捕らえ、引き寄せてから優しく唇を触れ合わせた。

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