同期は蓋を開けたら溺愛でした
11.微糖は不穏な前触れ
買い物に行きたいと言われ、帰り道にスーパーに寄る。
見た目に似合わず自炊をするとは知っていたけれど、実際にスーパーにいる大友を見るのは初めて。
違和感しかない。
だいたいスーツの男性自体がスーパーに似合わないのに、その上、大柄で強面。
似合うわけがない。
「大友ってさ、本部から来たスーパーを視察する人みたい。ほら、抜き打ちで調べに来たのに、場にそぐわなくてバレちゃう感じの」
「どうしてそんなに具体的なイメージなんだよ」
呆れ声を出しつつも、大友は慣れた様子で買い物かごに食材を入れていく。
「こら。お菓子は1つまで」
「はあい」
こっそり入れようとしたお菓子を注意され、2つのお菓子とにらめっこをする。