同期は蓋を開けたら溺愛でした
11.微糖は不穏な前触れ

 買い物に行きたいと言われ、帰り道にスーパーに寄る。

 見た目に似合わず自炊をするとは知っていたけれど、実際にスーパーにいる大友を見るのは初めて。

 違和感しかない。

 だいたいスーツの男性自体がスーパーに似合わないのに、その上、大柄で強面。
 似合うわけがない。

「大友ってさ、本部から来たスーパーを視察する人みたい。ほら、抜き打ちで調べに来たのに、場にそぐわなくてバレちゃう感じの」

「どうしてそんなに具体的なイメージなんだよ」

 呆れ声を出しつつも、大友は慣れた様子で買い物かごに食材を入れていく。

「こら。お菓子は1つまで」

「はあい」

 こっそり入れようとしたお菓子を注意され、2つのお菓子とにらめっこをする。

< 143 / 319 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop