同期は蓋を開けたら溺愛でした
「いいよな。こういうの」
生温かい目で見られて「何が?」と不満げに返す。
「新婚さんみたいだなって」
「新……」
驚いて息を詰まらせ、咳き込む私に大友は苦笑して言う。
「キスしたら、ビックリして治るんじゃない?」
からかう内容の種類が変わって、余計に咳き込む。
ひとしきり咳き込んだ後に文句をぶつけた。
「それ、しゃっくりだから!」
「しゃっくりか。なら、しゃっくりのときに……」
「試さないから!」
かぶせるように言うと、クククッと笑われる。
「まあ、また、そのときな」
横柄な態度で接しているはずなのに、大友は平気で甘い雰囲気に書き換える。
勝ち目なんて、はなから無い。