同期は蓋を開けたら溺愛でした

 大友は非難するような視線を向けた。

「お前が恋人に振られて、すぐにでも言わないとまた逃すと思ったからな」

「そんな理由」

「お前なあ。んっとに分かってないよな」

 責めるように言われ、頬をむくれさせて大友を仰ぎ見ると、その瞬間に唇を奪われた。

「な……」

 思わず自分の唇に指を当てて「うわ……」と心の声を漏らす。

 どうして今、キス?

 あの観覧車での熱を再発させたような大友が悩ましい視線を寄越す。

「恵麻」

 唇に添えた指先を手ごと取られ、艶かしい眼差しを向けられる。
 そして、瞳をそっと閉じて大切なものにキスをするように指先に口づけた。

 指先に触れる熱にやられてしまいそうになって、「ねえ、雄……」と消えそうな声で訴える。

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