同期は蓋を開けたら溺愛でした
「お前、すっごく寝相が悪いの知らないの?」
「そうなの? ごめん。蹴ったりしてた?」
「ああ。蹴られた。蹴られた」
「嘘っぽい」
不貞腐れた声を出すと、文句を言われ反撃に遭う。
「お前さあ。いくら頭の中、小学生だとしても」
大人だから!
そう訴えようと顔を上げた私へ大友は爆弾を落とす。
「好きな女を腕に抱いて、何もせずに寝られるわけないだろ」
不満を色濃く映した瞳を向けられ、戸惑っていると、プイッと視線をそらされた。
「……だったら帰るよ?」
「だから、どうしてそうなるんだよ。離れたくないの。だけど手も出せないの。このもどかしさ、伝わらないわけ?」
鼻をかじられて肩を竦める。
「早く寝ろよ」
「寝たら向こうへ行っちゃうの?」
「行くに決まってるだろ。いいから寝ろ」
反論を受け付けない空気に黙るしかなかった。
私は大友の行動に少しでも歯向かってやろうと腕にしがみついて眠りについた。