同期は蓋を開けたら溺愛でした
納得できない指摘をされて私も心に引っかかっていた思いが口を出る。
「大友だって、水野さんと付き合っていたじゃない」
「は?」
一度出てしまったら止め方が分からなくなって、言わなくていい思いまで口にしていた。
「私が水野さんに何か言われたからって夜に会いに行ったりして。今でも会える関係なんでしょ?」
大友は私に言いがかりをつけられて、表情が変わっていき険しい顔つきになる。
「だから何?」
「元カノと会うなんて……」
「あの人とは付き合ってはいなかった」
里美に聞かされた事実と一致して、それが余計に混乱を招く。
「だって、水野さんと付き合ってる時に、今日は彼女とデートだからアパートに来てもいないって、そう言った日があったよね?」
私の追及に大友は黙り込んだ。
仲のいい同期。だから知らなくていい過去の行動も知っていて……。
「付き合ってなかったなんて嘘だよね?」
こんなこと聞きたかったわけじゃないのに。
そう思うのに止められなかった。
大友は苦々しく顔を歪めながら吐き出すように言った。
「いっそ、そうなろうとしたよ。恵麻への気持ちは錯覚だって、何度も思おうとしたし、誰かとそういう関係になれば目が覚めるって」
聞きたくなかった告白は私の胸を深く抉って苦しくさせた。
「それで、そういう関係に?」
大友は顔を背けて、何も答えてくれない。
返事がないのは、そうだと言っているようなものだ。