同期は蓋を開けたら溺愛でした

「最低」

 冷たく非難する声をぶつけると、大友は呼応するように口を開く。

「向こうだって了承済みだ」

「そんなの、そんなの言い訳じゃない」

 声が震えて何かが溢れて涙がこぼれそうになる。

 頭を左右に振る大友が、私の方へ歩み寄って手を伸ばす。

「やだ。触らないで」

 私に拒否されて伸ばした手を力なく下に降ろすと、やり切れない思いをぶつけられた。

「じゃ、どうすればよかったんだよ。俺をなんとも思ってないようなお前に愛の告白でもしろって? 毎日、隣に座らなきゃいけないのに、気まずくなったら俺はどう過ごせばいいんだよ」

「そう言うけど関係を崩してきたのはそっちだよ!」

 それでも良かったかもしれないって朝までは、ううん。帰る直前まではそう思えていたのに。

「私といた2年はなんだったの」

 嘘で塗り固められた関係のような気がして、自分の信じていたものがガラガラと目の前で崩れていくような気がした。

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