同期は蓋を開けたら溺愛でした
12.戻らない距離
こんな喧嘩を大友とした経験はなく、どう接していいのか分からない。
出社すると当たり前に大友がいて意を決して「おはよ」と声をかける。
「おはよ」
挨拶は返されて息をつく。
仕事終わりに里美に相談したいとお願いしてある。
今日1日の辛抱だ。
そう思って仕事に集中した。
定時になると待ち構えていたようにパソコンを落とし、足早にオフィスを後にする。
ぐちゃぐちゃな気持ちを誰かに聞いて欲しかった。
カフェで里美と会うなり挨拶もそこそこに、昨日起こった出来事と、それに大友に『好き』と言ったことなどを話す。
付き合おうと言われ、好きとは言ったけれど付き合っているかは微妙な間柄。
それなのにキスだけはした。
そんな恥ずかしくなるような大友との今の関係性をすっかり話してしまった後に、水野さんの話題を出して喧嘩してしまったまでを話す。
だいたいの概要を話すと、ずっと聞いていた里美が口を開く。
それは辛辣なひとこと。