同期は蓋を開けたら溺愛でした
朝起きて、初めて見る気がする大友の寝顔をジッと見つめる。
思えば、泊まっているのに寝顔も見せてくれていない。
嫌な夢でも見ているのか、眉間にしわを寄せた険しい顔で寝ている。
寝てる時くらい穏やかな顔をすればいいのに。
余計なお世話な感想を浮かべ、そっと眉間を撫でているとグッと目をつぶってから片目が開く。
そして、私を確認するとガバッと起き上がった。
「恵麻! ……っ痛」
突然起き上がった上に、自分の大きな声に頭を抱え、顔をしかめて体を丸めている。
「二日酔いするほど飲むなんて」
「なんで、いるんだよ」
切れ切れの言葉に普通のトーンで答える。
「キスするために来たの」
「は?」
頭に片手を当てたまま、呆気にとられた顔を向けられる。
そんな大友に私は言葉を重ねた。
「特別な場所じゃなくて、初めてのキスも初めての深いキスも、初めて愛し合う時も、私は大友のアパートがいい」
「何を言って……。俺、酔って、何言った」