同期は蓋を開けたら溺愛でした
「エロ……」
大友のこぼした台詞に真っ赤になるのを抑えられなくて、慌てて体の向きを変えると手首を掴まれた。
「やっ! 着替えてくるから!」
「いいって。せっかくだし、かわいいって」
かわいいと言えば誤魔化せると思ってるわけ?
「だって大友が変な発言するだもん」
「普通の感想だろ」
「むっつりすけべ!」
憎まれ口を投げつけても掴んだ手を引かれ、抱き寄せられて逃げられない。
「ったく。オープンにしたら困るのお前」
「だって大友、下ネタとか全然言わないでしょ」
私の言い分を聞いて、大友はため息交じりに言う。
「それはお前といるからに決まってるだろ」
「……男友達といる時は?」
「まあ普通には。っていうか、俺をどういうイメージで見てたわけ? 聖人君子とでも?」
「そういう、わけじゃないけど」
頭に顎を乗せて、からかうように言う。
「小学生の恵麻ちゃんは大変だ」
「大人だもん」
ズルイよ。大友ばっかりなんでも分かってて、なんでも知ってるみたいで。
言いがかりのような思いは、大友にはぶつけられない。
だって負けを認めているみたいで。