同期は蓋を開けたら溺愛でした
「だいたい俺ん家に休みの日に来る時はズボンだろ。会社ではスカートも履くくせによ」
会社は急な打ち合わせが入って社外の人に会う場面になる時もあり、それなりの格好はしていないといけなくて。
だからスカートでも、もちろんストッキングを履いている。
パンツスーツのときもあるけれど、少しでも女らしくと思って……。
私と違って普段からよく見ているのが分かって感心するやら、恥ずかしいやら。
「大友の家に行く時は、スカートだとくつろげないでしょ? 飲みに行ってスカートだと何かと気を使うし」
「あっそ。なら、今日はデート仕様ってわけか」
嬉しそうな声を出されると、余計に気恥ずかしい。
「ねえ。着替えてきたい」
「ダメ。腹空いて限界」
回していた腕を解いて手を繋ぐ。
そして指をゆっくり絡ませてくるものだから、顔が熱くて堪らない。
すると大友は繋いでた手を持ち上げて、そのまま私の手の甲にキスを落とす。
「うわっ……」
キスをしながら向ける視線が甘くて熱っぽくて、どうしていいか分からなくなる。
「アパートでの仕返し」
「もう!」
悪戯っ子のように笑う大友に不満をぶつけると爽やかに促された。
「ほら、行こう」
ずるいよ。
私ばかりドキドキされっぱなしで。