同期は蓋を開けたら溺愛でした
次は大友の服を見ようと階を上がる。
レディースフロアが3階と4階。
メンズは5階にある。
「男物は少ない上になかなか着れる服もないから、大抵買う店が限られてる」
ここ、と言われ、大友の後についていく。
レディースの売り場と違って置いてあるものも、お店の雰囲気も当たり前なんだけどなんだか男っぽくて落ち着かない。
メンズのお店ってこうなんだーと興味津々で大友の後をついていく。
ひと通り物色するとシンプルなTシャツを何枚か手にした。
どれも似合っていて甲乙付けがたく大友の動向を見守る。
しかし不意に今まで選んでいた服と毛色の違うTシャツを手にしたのを見て、慌てて止めに入った。
「あ、の。首元は丸首がいい」
「へー。なんで」
首元がVだと色気が半端なさそうだから、とは言えずに押し黙る。
特に、今手にしているTシャツはVのラインがかなり深いのだ。
「丸首のが似合う気がするから」
「そう」
元の場所に戻すのを見て、ホッと息をつく。