同期は蓋を開けたら溺愛でした
すると店員さんが近づいてきて、今の一連の話を聞いていなかったのか、今まさに戻した服を進め出す。
「お客様の体格でしたら、このくらい胸元が開いていてもお似合いですよ。ね、彼女さんもそう思いますよね」
突然、話を振られて目を白黒させる。
しかも『彼女』というワードに、全身の毛が逆立った気がする。
「えっと、それは……」
「試着されてみてはいかがですか?」
大友は服を手に何かを考えている。
「今日はやめておきます」
「そうですか」
残念そうな店員さんを尻目に私はホッと胸を撫で下ろす。
「もう少し見て考えます」
大友がやんわり拒否したのを感じ取ったのか、ごゆっくり見てくださいね〜と言って離れていった。
店員さんが離れると大友はすぐにクククッと堪えられない笑いを漏らす。
「何、彼女って言われて困ったわけ?」
「それも、そうだけど」