同期は蓋を開けたら溺愛でした
そんなモテ男の容赦ないつぶやきに、私は目くじらを立てる。
「振られるの飽きないね〜って言いたいわけ?」
「他にどう言えと?」
「こんな日くらい慰めなさいよ!」
私の性格は明るくて、良く言えばおおらかなのがいいところ。
つまりちょっとガサツで大雑把。
少しでもお淑やかに見えるように髪の毛はミディアム。
ロングにするほどの勇気はない。
キャラじゃないのはわかっているから。
お通しの枝豆を口に運びながら、本音をこぼす。
「だってさー。彼氏といるより、大友といた方が居心地がいいんだもん」
隣で聞いていた大友は心底呆れたような声で核心を突く。
「あほか。そんなんだから振られるんだろ」
図星過ぎて反論できない。
「そういうあんただって受付の水野さんだっけ? どうなのよ」
「ま、俺もいつも淡白だとか言われて振られるから人のこと言えないか」
珍しく弱気な大友がため息を漏らす。
この短時間で、もう二杯目? いや、三杯目?
大友も飲みたくなるような嫌な目に遭ったのかもしれない。