同期は蓋を開けたら溺愛でした
ガラスまで近寄ると下の方に街が小さく見えて、目がくらみそうになる。
大友にしがみつくように手を添えると「本当、かわいい」とため息交じりに言われた。
「こういう時、同期の関係じゃ、あり得なかったよなって思う。だから余計に愛おしく感じる」
寄り添っている私の肩に腕を回して、引き寄せられる。
ただの同期だった頃、こういう場面に出くわしていたらどうしていたんだろう。
強がって戯れ合って茶化したりしてたのかな。
少なくともこんな風に触れたりはしなかった。
当たり前になりつつあるスキンシップにも胸の奥がじんわりと温かくなって、ギュッと大友の体に腕を回す。
「ほら、あそこ。俺のアパート」
「え? どこ?」
怖がりつつも景色を楽しんだ。