同期は蓋を開けたら溺愛でした
「まさか自分がそこでキスするとは思わなかった」
再び顔を近づけて軽く唇を重ねる。
すると首元にくすぐったい感触があって、大友の体を押した。
「な、に?」
首元に手を当てると、華奢なチェーンが手に触れる。
「え……まさか」
「ああ。似合うって言っても買わないだろうなと思って、恵麻を置いて買ってきた。やっぱり似合ってる」
満足そうに微笑む大友の胸を叩く。
「だって、まさか買いに行かないよねって見ててもワゴンの方には……」
「ああ。ワゴンのはメッキとかだろ? メッキじゃな、と思って違う店で」
「メッキじゃな……って、まさかちゃんとしたピンクゴールド?」
ワゴンで見惚れていたのは、確かに5千円くらいだったから、ピンクゴールド風で、宝石も本物ではないとは思う。
だからって、ちゃんとしたピンクゴールドで、その言い方だと宝石も本物……。
「誕生日でもないし、誕生日だとしても高価過ぎるよ」
可愛いって思って見てたけど、可愛過ぎるデザインが自分には合わないなって目の保養で見ていただけだったのに。
「付き合った記念でいいよ。似合ってて可愛い」
寛大な台詞を口にする大友に不満が漏れる。
「……手慣れてる」