同期は蓋を開けたら溺愛でした
素直に受け取れなくて憎まれ口をたたく。
「おい。また喧嘩したいのかよ」
「だって……」
キスをして、その間にネックレスをかけるなんてキザな真似……。
「女にプレゼントするのも初めてだし、彼女と買い物に行くのも初めてだけど、何か?」
不貞腐れたように言われ、不満げな視線を寄越す。
「そういう恵麻はどうなんだよ」
グッと押し黙り、それから口を開く。
「私だって初めてだよ」
「嘘つけ」
「本当! 私は大友が慣れてそうだったから純粋に驚いて「普通に誘ったくせに恋人と買い物した経験ないの?」って意味で聞いただけで……」
「本当に?」
ジロリと見られてムキになる。
「本当だってば!」
ははっと力なく笑った大友が私の肩に頭を預ける。
短い髪が首に触れてくすぐったい。
「俺も大概だな。すごく、やいてるわ」
腕をギュッと回されて、私も大友にしがみつく。
「だから、かな。今までネックレスをつけてるのを見た覚えがなかったから、買ってやりたくなった。少しでもお前の初めをって」
切ない声に胸の奥がキュッと掴まれる。