同期は蓋を開けたら溺愛でした
15.キャパオーバー
「晩飯、どうしようか」
私はずっと大友にしがみついて、自分だけで歩ける気がしない。
普通に会話をしてくる大友を恨めしくさえ思う。
「恵麻?」
「うん……。なんでもいい」
「おい。張り合いがないな」
そっと頬を撫でる優しい指先に、恥ずかしくなって顔を俯かせる。
「とろけ過ぎだろ」
「大友は普通過ぎ」
ははっと笑う大友が立ち止まって私をギュッと抱きしめた。
「どう? 心臓、普通?」
胸元に顔を押し付けられ、耳をすませるとドキドキと速い鼓動を感じた。
「ドキドキ、してるみたい」
「ああ。なんていうか、浮かれてるしヤバイわ」
照れたように言う大友を愛おしく感じて、体にギュッと腕を回した。