同期は蓋を開けたら溺愛でした

 外を誰かが通っていく足音がすぐ近くで聞こえて、体を揺らす。
 玄関の扉を隔てて、すぐそこは外だ。

 なんだか急に我に返って恥ずかしくなっていると、大友も何か感じ取ったのか体を離してつぶやいた。

「風呂、行けよ。お互いクールダウンしよう」

 促され、コクリと頷くとバスルームへとよろよろと向かった。

 お風呂を出ると「飯は後にして少し寝たほうがいい」と言われ、素直にベッドに体を預ける。
 頭には自動的に当てられるドライヤーの温風。

「すぐキャパオーバーになるって分かってたのに、調子に乗り過ぎたな。寝て起きたら元気な恵麻になれよ」

 こめかみにチュッとキスをされ、目をつぶる。
 本当にキャパオーバーしていたのか、すぐに眠ってしまった。


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