同期は蓋を開けたら溺愛でした

 腹は? と聞きながら体を起こした大友はベッドを出て、冷蔵庫からコンビニで買ったパスタを手にしている。

「うん。食べたいけど」

「けど、なに?」

「甲斐甲斐しく世話を焼いてくれるのが、大友本来の姿じゃないのかもって思うと……」

 なにもかも甘くて、だからこそ前に言われた台詞が心に引っかかる。

 俺無しじゃいられないように仕向けてた、と言われ、本当の俺はそんなんじゃないって言ったら?って……。

「バーカ。俺はやりたくてやってるの」

 レンジに入れて温め始めるとベッドに戻ってきて、私の頭をかき回す。

「あの時は、悪かったよ」

 ポツリとつぶやいた大友に、感じていた台詞をこぼす。

「あの日、変だったよね。大友」

 頭をかき回していた手が止まり、ぼやくように言われた。

「なんでそういうのは見抜くかなあ」

「そう? 私、鈍感だってよく怒られてない?」

「まぁ大半は鈍感で無神経」

「もう! 言い方!」

 ははっと軽く笑う大友に目くじらを立てる。

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