同期は蓋を開けたら溺愛でした
「お前のタイプだろ」
「え?」
「見るからに軟弱な男」
増永さんは細身なタイプではあるかもしれない。
でも……。
「軟弱って、あの増永さんだよ?」
私の言葉を聞いて、大友は吹き出した。
「お前、失礼な奴だな」
「笑ったから大友も同罪でしょ」
増永さんは軟弱って性格ではない。
それは大友と共通の認識のようだった。
「まぁ増永さんの中身は軟弱じゃないにしても、見た目はあぁいうタイプが好きだろ。俺と真逆の」
「それを言ったら大友だって……」
「ああ。だから自分を疑ったね。こんな小学生でいいのかって」
「小学生で悪かったわね!」
憎まれ口をたたくのに、すぐに甘い言葉を向けられる。
「でも、仕方ないだろ。好きなんだから」
何度も聞かされる『好き』の言葉は、何度聞いても慣れなくて胸が甘く疼く。
「私は……自分でも気付いてなかっただけで大友に惹かれてた」
「は?」
「だから、気付かないうちに真逆の人と付き合ってたんだと思う」
「待て待て。ちょっと待て。いつの話、それ」