同期は蓋を開けたら溺愛でした

 手短に話を済ませた大友は浮かない顔をしている。

「どうしたの? 大丈夫だった?」

「北川が女に振られたって」

「え……そう、なんだ」

 私は直接仲がいいわけでもないから、なんて言えばいいのか言葉に詰まる。

「それでヤケ酒してて、勢いでみんなに電話してるらしいわ」

 大友は頭をかいて私と視線を合わさない。
 そして、こちらを見ずに言われた。

「で、今からヤケ酒に付き合えって……」

「うん、そっか」

 大友が友達を大切にする人だって知っている。
 自分だって大友に何度助けられたか。

 だから私は大友に言われる前に口を開いた。

「すぐに行ってあげなきゃ」

「……悪い。送ってく」

 私はかぶりを振って顔を俯かせた。

「待ってるよ」

「いや、多分朝まで飲む羽目になるだろうから、明日は無理そうだ。悪い」

「そっか……」

 私は落胆している心を隠して、明るく努めた。

「いいから早く行って」

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