同期は蓋を開けたら溺愛でした
笑顔を作る私の腕は、掴まれて引き寄せられた。
優しく唇を重ねられ、驚いて声が漏れる。
「大友……どうしたの?」
つい漏らした声に不満を言われた。
「なんでキスしてるのに『大友』なんだよ」
え? と声に出す間もなく再び唇が重ねられると、それは性急に深いキスへと変わる。
状況がつかめないのに、体はとろけさせられて、深く口づけていた唇はついばむようなキスに変わり、唇を味わうように食んで弄ばれる。
戸惑いから体をグッと押し離し、揺れる瞳を向けた。
「雄……。どう、したの? こんなキスされたら離れたくないって、言いたくなるよ」
「ああ、言って」
「……はい?」
怪訝な声は繰り返されるキスに阻まれて、続きは声にならない。
それでも訴えたくて迫ってくる唇からどうにか逃れて声に出す。